2012年07月18日

梅雨明けの空に

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 軽井沢では7月上旬から中旬にかけて、林の梢をくるくると高速で飛び回るエメラルドグリーンのチョウが見られます。圧倒的に多いのがメスアカミドリシジミ、次いでアイノミドリ(「アイヌ」の意)、少数ながらオオミドリ、エゾミドリ、ジョウザンミドリ(北海道の「定山渓」に由来)など。この短い時期、オスたちがなわばり争いをしているのです。いずれもそっくりで、初めて見る人にはまず見分けがつきません。
<写真はすべてジョウザンミドリシジミ>

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 メスアカは幼虫がサクラ類の葉を食べ、成虫は沢の出合いなどでよく見かけます。他の種はいずれもコナラやミズナラの葉を食べて育つチョウです。コナラやミズナラの林は軽井沢のいたるところにあるのですが、彼らはそのどこにでもいるわけではなく、また、複数の種が同じところにいたり、いなかったり。彼らが環境を選ぶ目には、なかなか近づけません。
 カシワやハンノキなどを食糧に育つ種もいますので、先祖のミドリシジミがいろいろな樹種に適応しながら分岐を始め、(成虫の活動時間帯や飛翔空間なども分けながら)種分化してきた歴史が想像できます。

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 軽井沢は、昔から多くのチョウ愛好家が訪れた場所です。でも、軽井沢で生まれ育った人で、生息する全種類の盛衰と現状を、ちょっとした木立や空き地の一つにいたるまでくまなく知っているといえば、Kさんをおいてほかにいません。
 チョウの写真鑑定をよくKさんにお願いするのですが、「どうせまた、どれもメスアカでしょう」と言って見てもらうと、「これはアイノ、これはエゾ、これはジョウザン」。私はいつも0点です。

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 ちょうど今朝、梅雨明けした青空に見つけたのはジョウザンミドリシジミ。脚立に上って撮影しました。なわばりを見張る彼らには、立派な触覚と複眼、翼があって、小さなからだでも戦闘機さながらです。すでに翅が傷んでいますが、それほど宙でぶつかりあうのがオスの宿命なのです。

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posted by あーすわーむ事務局 at 00:04| Comment(0) | なし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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