2014年03月31日

鳥の混群(2)

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(左から)キクイタダキ、ヤマガラ、ヒガラ

 シジュウカラなどを見ていると、「種類ごとに違う採食習性があるからこそ、混群の意義がある」ということがよくわかります。ヒガラやキクイタダキは針葉樹の枝葉でアリマキなどの細かいものをついばみ、シジュウカラはしばしば地上で落ち葉をめくっています。コガラは枯木を壊すようにむしり、枝の下側にしがみつくのも得意。コガラやヤマガラは、樹皮のすきまに種子を埋め込みます(貯食)。そうした行動を互いに見ながら、「そうか、そこか」とまねしたり、かすめ取ったりする相利関係があるのです。

 2〜3月になると、軽井沢の農耕地にヒバリたちが戻ってきて、なわばり分散をします。ここでは、毎年4月の初めに野焼きが行われますが、そんな日も、オスたちは煙に巻かれたなわばりを見捨てず、空でさえずり続けます。
 しかし、4月下旬に13cmの積雪に見舞われた朝、彼らはついになわばりを解除しました。再び冬と同じ、7〜8羽の群れになっていたのです。ヒバリたちは、雪の積もりにくい水辺や、雪の融けやすいアスファルトのわきなどで、中にホオジロ、ホオアカ、カシラダカ、カワラヒワなどを交えて、群れ生活に逆戻りしていたのです。
 食事場所が限られる場合、わずかな資源をめぐってなわばり争いするより、仲たがいしないルールにして、共同で食物探しや敵への警戒をする方がコストが少ないので、この切り替えは理にかなっています。これはおそらく内分泌系も関係したスイッチの切り替わりでしょう。

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2013年12月08日

鳥の混群(1)

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左奥からオオバン、キンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ

 違う種類の動物からなる群れを「混群」といいます。冬は鳥たちの混群をよく見る季節です。
 池のカモは、同じ敵に対して、別種でも一団となって逃げます。できるだけ大きな群れになり、その中へ中へと入る方が、自分の命を守りやすいのでしょう。少しでも群れからはずれた1羽が、敵の標的になりやすいからです。
 混群の一つの定義として、2種類3羽以上、互いに25メートル以内、最短5分は維持され、同じ方向に30メートル以上移動する、というのがあります。その意味では、カモの群れは、敵が来たときの一時的な逃避手段であり、混群とはいいきれないときもあります。

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ヤマガラ(左)とシジュウカラ                ヒガラ

 林で見られるシジュウカラやエナガを中心とした群れは、かなり継続的な混群です。似た者同士ですが、林内での利用空間や採食方法が微妙に違います。「林で生きる」とひとことで言っても、そこには多様なニッチがあるわけです。いわば「目のつけどころ」の違う者同士で集まれば、敵と食物の発見が効率的になります。梢にいるエナガがいち早くタカを発見し、警戒声をあげると、他の種類もやぶへ逃げ込み、コゲラは木の幹にぴたりと身を寄せるといった具合です。

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コガラ              エナガ               コゲラ

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2013年09月08日

コナラ林のわくわくツアー

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 テントウムシ(ナミテントウ)にいろいろな斑紋のものがいることはよく知られています。コナラの葉で交尾している2匹は、明らかに赤い星の数が違います。右の方にはアリマキと、アリマキが出す甘い汁をもらうクロクサアリ。テントウムシはアリマキの天敵ですから、このアリたちは、アリマキをテントウムシから守っているに違いありません。クロクサアリは集団でアオムシを襲って食べたりもします。コナラの木の根元に、彼らの巣がありました。

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 朝日を浴びに林縁に出てきたムモンアカシジミ。数が減少しているチョウです。このチョウは、クサアリ類の発生しているコナラやクヌギの木を探し、卵を産みます。幼虫は木の芽も食べますが、やがてアリマキの出す汁を吸い、アリマキそのものも食べる肉食性になります。この幼虫はアリに襲われないよう、アリマキと同じ匂いの物質を出しています。そのため、クサアリは何となく幼虫につきまとい、なかば騙されて、幼虫を保護します。

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 幼虫はクサアリの通り道でさなぎになりますが、そこからが大変です。さなぎから羽化すると、もう匂いは出ないからです。たちまちアリに囲まれて、飛べないうちに襲われてしまうこともあります。翅が伸びきるまで、新成虫は安全な場所に、命からがら走っていきます。
 朝のムモンアカシジミを反対から見ると、左側の羽がちぢれたようになっていました。アリに襲われる中で、上手に羽化できなかったのでしょう。
ムモンアカシジミの生活史をぜひご参照下さい(『軽井沢の蝶』より)

 雑木林はどこもかしこも昆虫の王国。ツアーの魅力はたっぷりです。

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コナラの切り株に産卵するクロナガタマムシ      鉈目にひそむスジクワガタ




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